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2012年 07月 02日
もう30年近くマンション暮らしです。
白い壁(もうかなりくすんで)白いドア、白い物入れ、、、 買った時はそのおしゃれさに大喜びでした。 それが歳を重ねるにつれ、育った田舎の古い家や日本的なものに心を惹かれています。 自宅マンションの裏に有った梅干し工場が無くなり、今年初めから6区画に分割売りだされ、順番に建築が始まっています。 数日で1軒建ち上がって、それどころかある家は組み立てられた幾つかの躯体が運び込まれ、数時間で外観が出来上がってしまいました。 そんな様子の中、朝早くからコンコンカンカンと木材を加工する音が響き渡ってきました。 大きな音なのになんて心地よい音なのかと眺めてみると、昔ながらに大工さんが材木で家を建てていました。 ほぞを組ませているコンコンカーン、その響きに魅せられてしまいました。 これこそが家だ!と少しドキドキしました。 最近TVでヨーロッパの文化や美術を紹介する番組が増えてきました。 以前から娘にパリでアンティークのカフェオレボールを買ってきてほしいと頼まれていましたが、なかなかお気に入りに出会えず、何年も待たせています。 そんな先日、NHKTVのカフェオレボールの特集で、コーヒーを入れ、サラダを入れ、デザートを入れと何にでも使われるカフェオレボール、単純に簡素化された柄、特徴的な色調、ポップなイメージのボールの色々を見て、お気に入りのボールに出会えない訳が分かりました。 私の探している物は存在しないのだと気づきました。 日本の食器は素晴らしい、色も柄も形も季節も、、、日本の食器は小さな手塩から大皿、鉢、茶碗、、すべてに小宇宙が存在すると改めて感じました。 そんな文化の中で育った私がイメージしたカフェオレボールは、どだい存在していなかったのでした。 良い物なんかには縁の無い我家の食器棚を覗いてみると、まさに生活雑器のオンパレードでしたが、それでも料理によって使い分け、季節によって出たり入ったりの食器達が有りました。 酢の物、和え物、焼き物、炒め物、煮物、和風、洋風、中華風、それなりに使い分け、出来上がった料理を見ながら食器棚の前で少し迷う。 ピタリと決まった時の快感。 日本文化って良いな、もう少し掘り下げて感じてみたいな。
by teoriasobiya
| 2012-07-02 11:48
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